テクノロジー

開発領域

Immunity

(DS Chen, I Mellman. Immunity 2013;12:1-10 を基に当社作成)

当社の創薬開発領域は、がん免疫療法であり、がん免疫を機能させるための幅広いアプローチと形態を創薬ターゲットとしています。

正常な細胞では細胞分裂時に発生した遺伝子のコピーミスは修復されますが、ときにその仕組みがうまく働かず、遺伝子変異を保持したがん細胞となります。このように遺伝子変異がうまく修復されない(遺伝子が不安定な)がん細胞は、分裂増殖してがんを形成する過程で、免疫による排除を受けます(免疫監視機構)。このように、がん免疫が応答しがんを排除しているのが、健常人の状態です。しかし、がん細胞は増殖し、やがてその遺伝子不安定性をもって免疫による攻撃を受けなくなったがん細胞が次第に増殖していきます。免疫機構ががん細胞を認識するときの目印(抗原)が欠失したり、PD-L1に代表される免疫チェックポイント分子を発現させて免疫のブレーキが入ったりするようになり、がんは免疫抵抗性や抑制性の獲得に至ります。したがって、免疫を再びがん細胞排除に導くことが、がん免疫療法の目的となります。

がんが免疫抵抗性や抑制性を獲得したときの患者の病態は、がん細胞の遺伝子異常、患者の免疫応答能や環境因子によってがん種における差のみならず個人差も大きく、その差ががん治療で得られる効果にも影響します。最近のがん免疫療法が、効く患者には長期延命を期待できるものとなっている一方で、治療効果が得られる患者はまだ限られているのは、そのためです。

よって当社では、免疫病態の問題解決に向けて、患者個人の免疫病態に合った適切ながん免疫療法の選択(個別化医療)と、その選択において作用点の異なる療法の併用、複数の免疫調節ポイントを押さえにかかるような統合的・複合的ながん免疫療法の組み合わせ(統合的アプローチ)の可能性に焦点を当てて、以下をテーマとするがん免疫療法の開発を行っています。

がん免疫が機能不全に陥る原因 対策 当社のパイプライン
腫瘍組織に入っていかない非活性T細胞 抗原(攻撃目標)の不足 個々の患者向けに抗原を組み合せ ITK-1 テーラーメイド型ペプチドワクチン
分子標的薬を耐性にさせる遺伝子変異の抗原活用 GRN-1301 ネオアンチゲンワクチン
個々の患者でがん排除能の最も高い
抗原カスタムメイド
探索 ネオアンチゲンワクチン
免疫誘導性がん細胞破壊による抗原
放出
探索 免疫細胞死誘導
樹状細胞(司令塔)の機能不全 抗原提示機能の増強 探索 樹状細胞関連
T細胞(攻撃隊)の機能不全 免疫抑制にさらされ疲弊したT細胞
の再生
iPS-T T細胞医薬
腫瘍組織に入ったT細胞がさらされる免疫抑制 がん排除能の高い抗原 x ブレーキ解除 GRN-1201 ペプチドワクチン-免疫
チェックポイント抗体併用
複合的なブレーキ解除 探索 免疫チェックポイント
阻害抗体
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