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第40回日本分子腫瘍マーカー研究会における共同研究先の発表

先週の日本分子腫瘍マーカー研究会で、当社の完全個別化ネオアンチゲンワクチンBP1101共同研究先である、国立がん研究センター 特任研究員 藤浪紀洋氏から演題「ネオアンチゲンを標的とした完全個別化がんペプチドワクチンの開発 ― 肝細胞がんにおけるネオアンチゲンの予測とその抗原性の評価に関して」が発表されましたので、概要をご紹介します。

当社は、がんの遺伝子変異を測定しその抗原性を予測する完全個別化免疫療法の開発を、国立研究開発法人国立がん研究センター免疫療法開発分野の中面哲也先生らとともに進めています。これまでがんペプチドワクチン薬剤候補の評価は、健常人ドナーの血液(その中にがん抗原ペプチドを認識するT細胞がいる)を用いて行われてきましたが、当然ながらワクチンが投与され免疫が賦活化している状態ではなく、ごく微量な免疫反応を無理やり見ようとするため精度が低く、特に長鎖ペプチドの評価を適切に行うことは困難でした。今回の研究では、ヒトHLAを導入したトランスジェニックマウスを用いることにより、どのペプチドワクチン候補が、がん細胞特異的なCTL(細胞傷害性T細胞)を強く誘導することができるか、より適切に評価することが可能になりました。また、開発中のネオアンチゲン予測アルゴリズムは、高い精度で免疫原性のあるネオアンチゲンを予測していることもわかりました。
この評価結果を予測アルゴリズムにフィードバックさせることにより、さらにシステムの精度を上げていくことを目指しています。

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