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「競争力の源泉」事業計画及び成長可能性に関する事項

2022年4月施行となる東証の市場区分の再編に伴い、既存のマザーズ市場の上場会社がグロース市場への移行を選択する場合に、東証の指定する内容で構成される「事業計画及び成長可能性に関する事項」の説明資料を年内に開示することが求められています。
当社は、2021年11月19日付の取締役会でグロース市場を選択することを決議し、本資料を開示いたしました。
本資料は、東証による記載内容が決められており、①ビジネスモデル ②市場環境 ③競争力の源泉 ④事業計画 ⑤リスク情報 から構成されています。 今回は、本資料 ③競争力の源泉 について、補足説明します。

がんワクチンは、これまで何十年もかけて取り組まれてきた野生型(遺伝子変異がはいっていない抗原)抗原から、遺伝子変異が入り非自己として免疫システムが認識するネオアンチゲンにシフトしてきており、かつがん免疫が成立する場となるリンパ節でワクチンがT細胞活性化に携われるよう、リンパ節にデリバリーする仕組みを織り込む方向性にあります。
この方向性は同じですが、モダリティ(医薬品形態)に違いが有り、新型コロナワクチンで大成功したBioNTechやModernaは、当社のペプチド(タンパク質断片)ではなくmRNA(核酸)を用いており、デリバリーにはLNP(脂質包)を用いています。
我々はこれに対抗するために、デリバリー機能のより高い樹状細胞標的抗体をDrug Delivery Systemとして用いようとしているのがBP1209です。T細胞を活性化する樹状細胞にワクチン抗原を効率よく送達できるように、樹状細胞を標的とする抗体にワクチンを連結させています。
ただ、医薬品開発は臨床試験に年数がかかるため、世に出る順番としては前から開発されている野生型共通抗原ワクチンが早く、かつ個別特注品となる個別化ネオアンチゲンワクチンよりも製造コストが現時点では圧倒的に抑えられているというPros Consになっています。

細胞医薬は、適応を拡げるために血液がんから固形がんへ、製造コストを下げるために自家細胞療法から他家細胞療法へという流れがあり、他家細胞療法には均質性に優れるiPSマスターセルバンク型とそうでないものがあります。
iPSマスターセルバンク型ができるプレイヤーはまだ少ない中で、現在はみなNK細胞(一部T細胞)を使っており、これら以上に多面的な抗腫瘍効果をもつNKT細胞を使う展開を特許で守られオンリーワンでできる立場を活かそうとしているのが当社のiPS-NKTになります。

HER2 CAR-T(BP2301)は、免疫抑制的な腫瘍微小環境がハードルとなってこれまで奏功しなかった固形がんにおいて、細胞疲弊に陥る原因となる遺伝子をつぶしておくとか、回復させるサイトカインを自ら分泌するようにするとか、色々な科学的アプローチ/仮説がある中で、幹細胞様の特徴を備えたT細胞を使うのがよいと考えて、そのようなCAR-T細胞の製造が可能になる製法を樹立し、GMP製造ができ臨床試験に進むことができる段階まで来ているのが当社です。
ここに来て、この仮説は、正しい方向にあることを示唆する研究報告が続々と出て来ています。

抗体医薬は、抗体の設計・機能で他社との違いを出すことを考えています。
例えば、BP1200は、他社の抗体に比べて当社抗体にはスペック上いくつも優位性があることをESMO 2021で発表しベストポスター賞を受賞しました(ポスターはこちら)。
BP1200の特徴の一つとして、フック効果(抗体投与量を上げて行くと効果が逆に落ちる)が無いため、用量を上げて薬効を追求できる可能性があるという点があります。

BP1210は、他社の抗体とは異なるバイパラトピック抗体というフォーマットを使っています。通常の抗体は、例えて言うなら右手と左手があって、この右手と左手はほぼ同じで、細胞表面の標的抗原タンパク質の特定部位に、どちらかの手で結合します。これに対して、当社抗体は、遺伝子工学の技術を駆使し、右手と左手を別々の抗体からもってきて組み合わせた二重特異性抗体を作成しました。右手ではこの特定部位を、左手では同じ標的抗原のこの特定部位をという、両手でつかみにかかる性質をもたせています。
これによって、両手でつかまなければ実現できない、免疫抑制性のTIM-3分子の重要な機能阻害を追求できるという仮説を立てています。

以上、当社は各パイプラインのポテンシャルの高さを評価し、開発を進めています。

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